2011年から2017年に運用されていたKEKスパコンは、次の二つのシステムからなる複合システムでした。
システムA: Hitachi SR16000 model M1 (56ノード)
広範なタイプの数値計算に適した構成です。 各ノードには 256GBのメモリを共有する 32 個の Power7プロセッサコアが搭載され、 自動並列化によって様々なアプリケーションを高速に実行できました。 全体では 56 個のノードが専用ネットワークで結合され、 互いに通信しながら計算を実行します。
システムB:IBM Blue Gene/Q (6ラック)
大規模並列計算用システムとして、 分散メモリ並列計算のための通信性能にも重点を置いた構成でした。 1 ラックあたり1024 個の計算ノード(ノードあたり 16 個のプロセッサコア) を持ち、209.7TFlops の演算性能、16TB メモリを備えています。 5 次元トーラス型の高速ノード間通信を備え、 大規模並列計算に適したアーキテクチャとなっています。
2006年3月から運用を開始したシステムは、 汎用計算サーバと大規模並列計算サーバを持つ複合システムとなりました。 汎用計算サーバであるシステムAとして日立製作所SR11000、 大規模並列並列計算のためのシステムBとしてIBM System Blue Gene Solution を採用し、 両システムから共通にアクセスできるストレージシステムを備えていました。
システムA:日立 SR11000 model K1 (16ノード)
システムB: IBM System Blue Gene Solution (1024ノードx10ラック)
2000年3月から2005年12月まで稼働したシステムは、日立製作所 SR8000 モデルF1です。 総演算性能は 1.2 TFlops(テラフロップス)、 つまり一秒間に1兆2000億回の実数演算を持ち、 主記憶(メモリ)は、444 GBでした。 KEKのSR8000は、100台の演算ノードを超高速ネットワークで 互いに接続した並列計算機でした。 稼働開始時には国内最速のスーパーコンピュータでした。
Hitachi SR8000 model F1
1995年に稼働開始したスパコンはベクトル・パラレル方式の富士通 VPP500/80でした。 ベクトル演算器は一つの命令によって多数の成分を持つ配列同士の演算を 処理する方式で、科学・工学の分野における数値計算に優れた性能を発揮しました。 VPP500 のプロセッシング・エレメントはそれぞれスカラー演算ユニットと 1.6 GFlops のベクトル演算ユニット、256 MBのメモリを備えていました。 更にこのプロセッシング・エレメント 80台がクロスバー型のネットワークで接続され、並列計算も可能でした。
Fujitsu VPP500/80
システム: Hitachi S820/80
高エネルギー加速器研究機構の前身の一つである 高エネルギー物理学研究所に導入された最初のスーパーコンピュータは、 日立製作所のS810/10でした。 350 MFlops の性能を持っていました。
システム: Hitachi S810/10